鏡川

前表紙
新潮社, 2004 - 211 ページ
私の胸中にはいくつかの川が流れている。幼き日に見た真間川、蕪村の愛した淀川、そして母の実家の前を流れる鏡川だ―。明治維新から大正、昭和初期までを逞しくも慎ましく生きた、自らの祖先。故郷・高知に息づいた人々の暮らしを追憶の筆致で描く。脱藩した母方血族、親族間の確執を恋慕、母が語ったある漢詩人の漂泊...。近代という奔流を、幼き日の情景に重ね合わせた抒情溢れる物語。

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