少年と罪: 事件は何を問いかけるのか

前表紙
中日新聞社会部
ヘウレーカ, 2018 - 272 ページ
神戸連続児童殺傷事件から20年あまり。いまだ少年への憧れを隠さない子どもがいる。その一人、名古屋大学元学生は知人女性を自宅アパートで殺害、高校時代には同級生にタリウムを飲ませた罪で無期懲役となった。「人を殺してみたかった」。少年Aも元名大生もそう口にした。だが社会はそんな少年たちの心の闇に正面から向き合ってきただろうか――。社会を震撼とさせた重大少年事件の加害者、被害者、双方の家族、司法関係者などを丹念に取材。事件の背景や加害少年たちの内面に迫ると共に、被害者家族の悲しみと苦しみ、加害者家族の過酷な現実を描き出した、渾身のルポルタージュ。少年法の適用年齢引き下げの議論が本格化するなか、少年事件の実相を知るために欠かせない一冊。

著者について (2018)

「新愛知」と「名古屋新聞」を前身に、「中部日本新聞」として1942(昭和17 )年創刊。中日新聞(名古屋本社、東海本社)、東京新聞(東京本社)、北陸中日新聞(北陸本社)などを合わせ、348万部を発行している。大阪、岐阜、福井に支社、取材拠点となる総支局・通信局部は国内170か所、海外15 か所にある。名古屋本社社会部には56 人(2018年9月現在)が所属し、愛知県警、愛知県庁、名古屋市役所、司法の取材担当記者のほか、幅広いフィールドで連載企画などに取り組む遊軍、大学や病院を取材する医療科学班などで構成している。中日新聞社会部としての主な編著に『日米同盟と原発隠された核の戦後史』『君臨する原発どこまで犠牲を払うのか』(東京新聞出版局)、『祖父たちの告白太平洋戦争70 年目の真実』(中日新聞社)、『新貧乏物語しのび寄る貧困の現場から』(明石書店)がある。

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