日本古典文学全集, 第 16 巻Shōgakkan, 1975 |
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... 几帳押し出でてのお気持を忘れずにいることを十分わかっていただきたい、と考えていらっしゃる。その年は、例年よりも暑人々が閉口していたが、川に面した所は涼しかろうとお思い出しになって、にわかに宇治に参上なさった。朝のまだ涼しい時刻に京をお ...
... 几帳押し出でてのお気持を忘れずにいることを十分わかっていただきたい、と考えていらっしゃる。その年は、例年よりも暑人々が閉口していたが、川に面した所は涼しかろうとお思い出しになって、にわかに宇治に参上なさった。朝のまだ涼しい時刻に京をお ...
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... 几帳の下から。うつぶして絵を見る女一の宮の、御髪の間からほの見える横顔を、几帳の綻びからぬすみ見るのである。すこしももの隔てたる人と思ひきこえましかば、と思すに、あの山里の人はいじらしく気品の高いこと 切りをする。さきにも女房たちは 一八 ...
... 几帳の下から。うつぶして絵を見る女一の宮の、御髪の間からほの見える横顔を、几帳の綻びからぬすみ見るのである。すこしももの隔てたる人と思ひきこえましかば、と思すに、あの山里の人はいじらしく気品の高いこと 切りをする。さきにも女房たちは 一八 ...
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... 几帳がある。「いますこし近くすべり寄った中の君は、その几帳の陰にいた。「何とかして、薫に此懸想心をやめんとてと也。伊勢物語に、我かかる心やめ給へとある詞。みたらし川の首尾なるべし」(湖月抄)。少将あらんと (薫)は、それほどに切望するの を ...
... 几帳がある。「いますこし近くすべり寄った中の君は、その几帳の陰にいた。「何とかして、薫に此懸想心をやめんとてと也。伊勢物語に、我かかる心やめ給へとある詞。みたらし川の首尾なるべし」(湖月抄)。少将あらんと (薫)は、それほどに切望するの を ...