らく休まなければならない。立ち上がると必ずたちくらみ のようなめまいがする。 書斎の一方だけに窓があって、窓の外は一メートル足ら 他の三方の壁は本棚がふさいでいるが、四畳半の壁の前 引越し道具を使って迷路をつくっていたあの物置の中と ( (つづく) ールができるっちゅう噂は、宿毛のほうにも伝わっちょ る。こないだも、宿毛におるわしの友だちが、いつ を止めると窓のところに戻ってきた。 政夫の笑顔がふいに歪んだ。小さくて短かい政夫の悲鳴 房江の悲鳴で、熊吾が縁側から飛び出してきた。房江 と言い残し、裸足のまま、どこかへ走っていった。 と至極のんびりした口調で訊いた。ヒサと明彦も出てき た。 「ノブと千佐子は、家のなかにいときなさい」 房江はそう叫んだ。 「政夫さん、酔うちょりなはるの?」 |