新潮, 第 88 巻、第 7〜9 号 |
この書籍内から
検索結果1-5 / 100
209 ページ
二郎の前の分れた女房は気の利く事天下一にて二郎を亭主にして寸分のすきも
ない女だったが心の奥そこにわだかまりあつて遂にとけず温い心を持たぬ気の話
な女ゆえに遂にひびが入つた僕なぞは人に笑はれたり馬鹿にされたりずうぐしく
振る ...
二郎の前の分れた女房は気の利く事天下一にて二郎を亭主にして寸分のすきも
ない女だったが心の奥そこにわだかまりあつて遂にとけず温い心を持たぬ気の話
な女ゆえに遂にひびが入つた僕なぞは人に笑はれたり馬鹿にされたりずうぐしく
振る ...
210 ページ
して仕舞つたのである。何故今日私小説がのたれ死して仕舞つたかと言ふ事は
難しい。大勢に論じまくられて御維新に肩あげを捲り上げて出発する無数の時代
的文人の出現は、その大勢に意味があるだらうが、私小説がこれには向ふ力は
ない。
して仕舞つたのである。何故今日私小説がのたれ死して仕舞つたかと言ふ事は
難しい。大勢に論じまくられて御維新に肩あげを捲り上げて出発する無数の時代
的文人の出現は、その大勢に意味があるだらうが、私小説がこれには向ふ力は
ない。
186 ページ
最近稀に見る、抒情と知的構想力のかね備はつた魅惑的な中篇小説である。
そして、この秀作は、久しぶりに私に物語の楽しみをだが、昨今の甘酸っぱい
大正思慕は、はたして、さういふ時代の同質性による共感から芽ばえたものだら
うか。
最近稀に見る、抒情と知的構想力のかね備はつた魅惑的な中篇小説である。
そして、この秀作は、久しぶりに私に物語の楽しみをだが、昨今の甘酸っぱい
大正思慕は、はたして、さういふ時代の同質性による共感から芽ばえたものだら
うか。
6 ページ
韓国の禅僧は妻帯を禁じられてみる筈だからである。在俗のまま、事務長のや
うな形で寺の運営に参劃してみた可能性も排除出来ないが、詳細は判らない。杰
端さんと話してみる途中から、近所に住む一族のやや年高の人が席に加はつたに
なる ...
韓国の禅僧は妻帯を禁じられてみる筈だからである。在俗のまま、事務長のや
うな形で寺の運営に参劃してみた可能性も排除出来ないが、詳細は判らない。杰
端さんと話してみる途中から、近所に住む一族のやや年高の人が席に加はつたに
なる ...
7 ページ
そこまで困窮さんに送ってもらって、私たちは別れた。立原正秋があと十年生き
てみたら、きつと村へ帰って来たに違ひない、と別れ際に私は言った。立原氏の
御子息から手紙でも頂けると嬉しい、と杰鍋さんは言つた。クオン・オクスク院
を ...
そこまで困窮さんに送ってもらって、私たちは別れた。立原正秋があと十年生き
てみたら、きつと村へ帰って来たに違ひない、と別れ際に私は言った。立原氏の
御子息から手紙でも頂けると嬉しい、と杰鍋さんは言つた。クオン・オクスク院
を ...
レビュー - レビューを書く
レビューが見つかりませんでした。
他の版 - すべて表示
多く使われている語句
あっ あと あの あり いい いた いっ いま うか うち かも かれ くる ここ させ さん しまっ しれ そう そこ それは そんな タウト だが だから だけ ただ たち だっ たと たら たり だろ つた つて てき でも という といふ とき ところ なか なかっ ながら なっ なの なら なり なる にし によって のか ぼく ほど まし ます ませ また まで みた みる もう やう よく より られ られる れる ろう わけ わたし われ 意味 河上 感じ 関係 建築 見え 言っ 言葉 考え 行っ 作品 思い 思う 思っ 時間 時代 自分 主義 書い 小説 人間 世界 生活 仙吉 津山 定価 同じ 日本 物語 文学 問題 立原正秋