新潮, 第 88 巻、第 7〜9 号 |
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63 ページ
... に潜入し、すべてを自らが変幻しつつ経験してゆくほかはないのだ。あらゆる
ものに移行し、潜入することが求められる冒険は実用的要求でありながら美的
誘惑でもあるが、第三には実存的な不安でもある。建築家とは危機的な人間で
ある。
... に潜入し、すべてを自らが変幻しつつ経験してゆくほかはないのだ。あらゆる
ものに移行し、潜入することが求められる冒険は実用的要求でありながら美的
誘惑でもあるが、第三には実存的な不安でもある。建築家とは危機的な人間で
ある。
66 ページ
タウトは、日本の家屋や建築思想を讃美するという外見をとりながら、建築が
人間に対して促しかけ、人間から誘い出すものの質をおのずからに語ってしまっ
ていた。かいひ空白、空虚をタウトが日本人に教えたといっても、それは彼が
この国 ...
タウトは、日本の家屋や建築思想を讃美するという外見をとりながら、建築が
人間に対して促しかけ、人間から誘い出すものの質をおのずからに語ってしまっ
ていた。かいひ空白、空虚をタウトが日本人に教えたといっても、それは彼が
この国 ...
68 ページ
やりの実約点として、最大の関心事 68 人の世も人間も儚いものであり、無常の
宿命を負っているというならば、人の「栖」にしても同様なのだ。人間と自然の
接近と融合を宗とした世界観・人生観においては、すべてが止ることなく流れ ...
やりの実約点として、最大の関心事 68 人の世も人間も儚いものであり、無常の
宿命を負っているというならば、人の「栖」にしても同様なのだ。人間と自然の
接近と融合を宗とした世界観・人生観においては、すべてが止ることなく流れ ...
79 ページ
... 桂は当然高く評価したわけでしょう」「でも日本人が桂の美学と哲学を新たに
切り開いたという例は見当らないのではありませんか」「私の日本での仕事が
これからどうなるか分りませんが、私は最初の出会いを重んずる人間なのです。
... 桂は当然高く評価したわけでしょう」「でも日本人が桂の美学と哲学を新たに
切り開いたという例は見当らないのではありませんか」「私の日本での仕事が
これからどうなるか分りませんが、私は最初の出会いを重んずる人間なのです。
84 ページ
それは太平洋であり、富士山でしかし現実からイデオロギーが遊離してゆくよう
に、思想は時として人間から分離してゆくだろう。それは思想や観念に本来
そなわっている、人間の直接的リアリティを超越、拒否する指向性のためである
こと ...
それは太平洋であり、富士山でしかし現実からイデオロギーが遊離してゆくよう
に、思想は時として人間から分離してゆくだろう。それは思想や観念に本来
そなわっている、人間の直接的リアリティを超越、拒否する指向性のためである
こと ...
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