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年寄りを出せというならわかるが、自分一人だけ出してく れとは情けない野郎だ」

怒鳴ってみせたら男は青ざめて俯き、 「いえ、それは私が申し上げたんです」

誰か若い職員の男が手を挙げていい、 「それでもなんでもだっ」

私が苦笑いでいうと、妙なものでなぜかそれで部屋の中
の緊張しきった雰囲気が僅かながら緩んだ。

しばらくして地上の拡声器がまず人質の解放を呼び掛け
てき、私は仲間に計って女と加賀美を除いた年寄りをバリ
ケイドの隙間から廊下に出しました。隙間から覗いた外の
廊下もすでに私服の刑事たちが一杯だった。その作業の最
中にさっき加賀美をかばった男がまた手を挙げ、
「まだこの中にブラジルからいらしている外国のお客様が
おられるので、その方たちも出して上げて下さい」

いうので質したら、顔は同じだがブラジルの日系商工会
議所の会頭とスタッフ二人がまぎれこんでいました。連中
にはなんと釈明していいか分からず黙って頷いて促すと、
彼等も黙って頷いて出ていきました。

一番強硬だったのは秋月で、それに習ったように小野寺 も投降は嫌だと言い出した。ならばここで自分たちだけで 死ぬのか、まさか人質を道連れにする訳にはいくまい、死 ぬ気で来たのは俺も同じだが、この事態になれば今死ぬの

朝まだきというのに玄関のホールにはエレベーターの前
から正面玄関までびっしりカメラ班の脚立が立ち並び、そ
の足元にも記者やカメラマンがひしめいていました。滑稽
なのは、真っ直ぐに玄関口に向かおうとしている私たち
に、彼等が四方から自分の構えたカメラに向いてくれるよ
う口々に名前を叫んで呼んで、それはあの場の雰囲気に似
合わぬ妙に浅ましい光景だった。

表の通りまで出て、先頭にいた私は後ろの仲間を止める
ように立ち止まってみせました。明け方の薄明に晒され出
した広い通りは通行の車が遮断され、通りの向かい側に並
べられた投光機の後にびっしりと重装備した警官隊が居並
び、その左右には十台をこす特別車両がひしめき並べられ
ていました。見上げた頭上のビルのテラスにも鈴生りのよ
うに武器を手にした機動隊の姿があった。

それは私たちがあの建物にたてこもり相手にして挑んだ
ものの巨きさを表象するように、沈黙のまま黒々と分厚く
ひしめいていました。私たちはまさしくあいつらのすべて
を、そしてその後ろの、目にはみえぬ有無いわさぬ形で在
るものを相手に闘おうとしてきたんです。川俣の屋敷を焼
いた時と違って、今度はその向こうに在るものについて自
分自身で見届け、ひしと感じとれた気分でいました。

そして、彼等が今になっても奇妙なほど、一言も声をた
てずに、私たちを取り囲みじっと見守っているのが実に印
象的だった。あの印象こそ私と私が向かい あおうとしてい

資金の工場を始めたとかで、私とすれば、それはよかった なしっかりやれよという以上のことはなかった。

しかしそれが彼にはこたえていたのでしょう。今になれ ば可哀そうなことをしたと思います。あの男もあの時あの 豪勢な火事に魅入られて、結局私たちと同じ血の流れを持 った人間になってしまったのかも知れません。 私が二度目 の事件を起こしたのを聞いて、自分がああした生き方から はぐれてしまったことで、あいつは自分で自分を許せなか ったということだったのでしょう。

論告ではそんなことはいわなかったが、ある検事が私 に、結局お前が銃口を向けたのは経済界だけじゃなし、そ の向こうにいる政治家たちと、もう一つ、お前と同類呼ば わりしているが実はあいつらに飼いならされてしまった、 いっぱし思想ありげにしてはいるがその実なにもない、な にも出来はしない連中にもだろうといってくれました。そ の通りです。

求刑は私が六年、秋月が四年、小野寺と大谷が三年。私 以外はそれぞれ一年ずつ減刑という弁護側の読みでした が、公判の最中、法廷での検事の論告で相手が、「被告た ちはヤルタ・ボツダム体制の打破などと勝手な価値観をひ けらかせながら、云々」と読んだ時、秋月が立ち上がり、 「貴様、それでも日本人かっ」、と一喝したために、結局彼 も私と同じように減刑なしの四年を丸ごと食らいました。

じゃないですか。

考えてみると私たちみたいなはみ出し者がまったくいな くなった社会というものもあるにはあった。ヒットラー、 ムッソリーニ、スターリンといった奴らが仕切った時代が そうだろうが、あれがいい時代とは誰も思いはしまい。

そんなことでまた六年獄の中にいましたが、今度もま
た、前の半分とはいえ出きてみれば長かったような短か
ったような気がします。今度の方が中にいる間に世間の有
様は前よりも早く、私が予測していたよりも悪く変ってい
っている。私の感じだけではなしに、何を見ても実際にそ
うじゃありませんか。

今度の六年の間にも中でいろいろなことがあったが、な
んといっても別れた女房との再婚でした。入って四年目に
突然彼女が面会にやってきて、今度の亭主とは別れまし
た。二度目の結婚で男の子をもうけ、仕事でもずいぶんつ
くしたが、仕事がうまくいき出したら、いい気になって浮
気しだし高じて余所に子供までつくったので別れました、
あなたが許してくれるならこのまままたあなたを待ってい
たい、ということだった。

私は思わず笑い出し、それならそれでいいじゃないかと
いってやった。その男との間に出来た男の子も連れきた
いというから、それはなおさら結構だといった。これであ
なたのことは、始めから何もかも美奈子に打ち明けるつも

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