新潮, 第 89 巻、第 1〜3 号 |
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11 ページ
馬が糧を喰ったあとすぐ脱糞する 醍醐の桜 桜吹雪の醍醐をゆっくり見物する余裕
もなかった。馬に水をやりながら、叉銃線をつくって銃をはなし、帯剣をはずし
、上着をぬぎ、シャツの下へ手拭いをつっこんで脇から首、脇のあたりの汗を ...
馬が糧を喰ったあとすぐ脱糞する 醍醐の桜 桜吹雪の醍醐をゆっくり見物する余裕
もなかった。馬に水をやりながら、叉銃線をつくって銃をはなし、帯剣をはずし
、上着をぬぎ、シャツの下へ手拭いをつっこんで脇から首、脇のあたりの汗を ...
20 ページ
すると、あとのみんなが、輪をくずして、矢のかたちにこんどは先を山型にして
あとはまっすぐたてになって比叡山をこさはります。それはきれいなきれいな
一列縦隊どっせ」と山根さんは教えてくれた。朝はなぜ横隊できて、夕刻 れば・
に ...
すると、あとのみんなが、輪をくずして、矢のかたちにこんどは先を山型にして
あとはまっすぐたてになって比叡山をこさはります。それはきれいなきれいな
一列縦隊どっせ」と山根さんは教えてくれた。朝はなぜ横隊できて、夕刻 れば・
に ...
22 ページ
伏見墨染までタクシーで行き、そこから徒歩で桃山御陵のうらの大亀谷をぬけ、
小栗栖の切通しへ出て、三宝院にいたる畷道のあとち歩いた。伏見墨染の旧軸重
隊跡には、住宅や学校や官公の建物が混在していた。とてもそこにむかし二百頭
...
伏見墨染までタクシーで行き、そこから徒歩で桃山御陵のうらの大亀谷をぬけ、
小栗栖の切通しへ出て、三宝院にいたる畷道のあとち歩いた。伏見墨染の旧軸重
隊跡には、住宅や学校や官公の建物が混在していた。とてもそこにむかし二百頭
...
49 ページ
たかたは郵里の造り酒屋の間に似て、建英のその平屋がじつはしっかりした農家
跡に建てられたのではないかと僕は感した。一間きりの第一叔父さんの居室は、
土間と反対側のガラス戸に面して坐り机が置かれ、その上に洋書と辞書の類が
載せ ...
たかたは郵里の造り酒屋の間に似て、建英のその平屋がじつはしっかりした農家
跡に建てられたのではないかと僕は感した。一間きりの第一叔父さんの居室は、
土間と反対側のガラス戸に面して坐り机が置かれ、その上に洋書と辞書の類が
載せ ...
55 ページ
もし自分が同乗していれば、こちらは飲酒運転をせぬわけだから|夏枝叔母さんの
アパートでは泥酔してしまったが、それからあと一滴も飲酒していない―この
事故は起らなかっただろう。それは自分に運転免許がとれていたらということで
、 ...
もし自分が同乗していれば、こちらは飲酒運転をせぬわけだから|夏枝叔母さんの
アパートでは泥酔してしまったが、それからあと一滴も飲酒していない―この
事故は起らなかっただろう。それは自分に運転免許がとれていたらということで
、 ...
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