新潮, 第 89 巻、第 4〜6 号 |
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16 ページ
今朝、日記くり出し見候ところ」と彼は、「日記」をあらためている。たしかに
去年の十一月晦日の日に、「丁子屋平兵衛方へ写本四十一冊表紙(見本)差 という
遺文を、蓋の裏に墨書し 16 「宗伯先日松前志摩守様お頼み"兎園小説抄んしよう
...
今朝、日記くり出し見候ところ」と彼は、「日記」をあらためている。たしかに
去年の十一月晦日の日に、「丁子屋平兵衛方へ写本四十一冊表紙(見本)差 という
遺文を、蓋の裏に墨書し 16 「宗伯先日松前志摩守様お頼み"兎園小説抄んしよう
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33 ページ
天保十二年、一月末、桂窓宛て書簡の追伸には、太郎の番にふれ、番もしげく
かつ仲間の用もこれあり閑稀に候えば右につき太郎母も日々甚だせわしかつ無人
にてかれ(お路)一人にて家事取り行 S 候間代筆致し候 S とまこれなく」と年頭の
挨拶 ...
天保十二年、一月末、桂窓宛て書簡の追伸には、太郎の番にふれ、番もしげく
かつ仲間の用もこれあり閑稀に候えば右につき太郎母も日々甚だせわしかつ無人
にてかれ(お路)一人にて家事取り行 S 候間代筆致し候 S とまこれなく」と年頭の
挨拶 ...
40 ページ
お路代筆の第二冊の附言に、義父は、「七十六翁淹灭解誤書すかりそめの書翰は
さらなり著述の稿本たり日々によく代筆すしかれども労をいわず夜はまた刺縫を
こととして深夜に及べり常にその子(太郎)におこたりあるをいましめて節倹をむね
...
お路代筆の第二冊の附言に、義父は、「七十六翁淹灭解誤書すかりそめの書翰は
さらなり著述の稿本たり日々によく代筆すしかれども労をいわず夜はまた刺縫を
こととして深夜に及べり常にその子(太郎)におこたりあるをいましめて節倹をむね
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108 ページ
どうしてって訊かれたって困るよなあ?」「うん」そう答えながら俊之は、ヒロ
ちゃんも長いことーきっとアメリカへ行ったあとでも、俊之と同じようにあの胸
をチリリとよぎっていく矢印みたいな気持ちを感じ続けていたのかも知れない ...
どうしてって訊かれたって困るよなあ?」「うん」そう答えながら俊之は、ヒロ
ちゃんも長いことーきっとアメリカへ行ったあとでも、俊之と同じようにあの胸
をチリリとよぎっていく矢印みたいな気持ちを感じ続けていたのかも知れない ...
109 ページ
あせを吹きかえした Why ?その目が「怖かった」のだと、そのとき彼は言ったの
だ。それはたぶん、さっきヒロちゃんから聞いた女の子の話から連想して
思い出したことにすぎなかった。ーどうしてって訊かれたって困るよなあ?ヒロ
ちゃんは ...
あせを吹きかえした Why ?その目が「怖かった」のだと、そのとき彼は言ったの
だ。それはたぶん、さっきヒロちゃんから聞いた女の子の話から連想して
思い出したことにすぎなかった。ーどうしてって訊かれたって困るよなあ?ヒロ
ちゃんは ...
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あっ あと あの あり いい いく いた うか うち かけ かも かれ くる くれ ここ さん しか しまっ じゃ すぐ すると そう そこ それは そんな たい だが だから だけ ただ たち だっ たと たら たり だろ てき でも てる という どう とか とき ところ とも なか なかっ ながら なけれ なっ なの なら なり なる なん にし のか ぼく ほど まし ます また まで まま もう やっ よく より られ られる ろう わけ われ 一人 感じ 見え 言う 言っ 言葉 考え 行く 行っ 作家 作品 思い 思う 思っ 時間 時代 自分 俊之 書い 小説 少女 人間 世界 智恵 定価 電話 東京 日本 入っ 文学
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