新潮, 第 89 巻、第 4〜6 号 |
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のちに天保の大飢饉とよばれ、米が倍近く値上がりして、手にする金の値打ちが
半分になる年までには、まだ六年ある。ただ、歴史年表を見れば、いわゆる「
シーボルト事件」が特記されている年ではある。「馬琴日記」の同年十月十二日
の記 ...
のちに天保の大飢饉とよばれ、米が倍近く値上がりして、手にする金の値打ちが
半分になる年までには、まだ六年ある。ただ、歴史年表を見れば、いわゆる「
シーボルト事件」が特記されている年ではある。「馬琴日記」の同年十月十二日
の記 ...
14 ページ
夕七半時(坪戦)麹町三宅内渡辺登(畢山)より使札かねて頼みおき候,水滸伝全書,新
渡本(舶来書)四疾これを見せらる代金三両のよし望みもこれなく候わば本直ちに
返し候や申し来るすなわち返書に二両までになり候わば買い取り申すべき趣もし
二 ...
夕七半時(坪戦)麹町三宅内渡辺登(畢山)より使札かねて頼みおき候,水滸伝全書,新
渡本(舶来書)四疾これを見せらる代金三両のよし望みもこれなく候わば本直ちに
返し候や申し来るすなわち返書に二両までになり候わば買い取り申すべき趣もし
二 ...
18 ページ
用心深い馬琴の、火災はもとより紙魚にまで払った周到な深慮も、いうならば身
中の虫にまでは及ばなかった。かくして流出した手稿は、「吾仏乃記」「著作堂
雑記」を筆頭に、うかがい知れない人々の間を転々とする。「日記」について
いえ ...
用心深い馬琴の、火災はもとより紙魚にまで払った周到な深慮も、いうならば身
中の虫にまでは及ばなかった。かくして流出した手稿は、「吾仏乃記」「著作堂
雑記」を筆頭に、うかがい知れない人々の間を転々とする。「日記」について
いえ ...
32 ページ
ひつせいき候て回翰(返書)は自筆に書き候えども昼後に候えば婦に代筆いたさせ
あるいは請け書(受領書)のみ致し候仕合せ(始末)に御座候」とも伝え、また執筆も
、これまで半丁分、十一行を細字で書いたものを、五、六行にして大字で書く ...
ひつせいき候て回翰(返書)は自筆に書き候えども昼後に候えば婦に代筆いたさせ
あるいは請け書(受領書)のみ致し候仕合せ(始末)に御座候」とも伝え、また執筆も
、これまで半丁分、十一行を細字で書いたものを、五、六行にして大字で書く ...
34 ページ
八犬伝」全編の後書きともいうべき最終章に、馬琴は、代筆の楽屋裏を記すが、
いうまでもなく、それを記す者もよみたん の最大長、止矢口の間河原にて 34 で
には必ずよ続出して大団円になさまく欲りつぎいちゆうちつの足場をかため、九
...
八犬伝」全編の後書きともいうべき最終章に、馬琴は、代筆の楽屋裏を記すが、
いうまでもなく、それを記す者もよみたん の最大長、止矢口の間河原にて 34 で
には必ずよ続出して大団円になさまく欲りつぎいちゆうちつの足場をかため、九
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