無限の書

前表紙
東京創元社, 2017/02/28 - 398 ページ

存在するはずのない写本、人間が知るべきではない秘密

世界幻想文学大賞受賞作


中東の専制国家でハッカーとして生きる青年アリフは、大砂嵐の吹き荒れる日、政府の検閲官〈ハンド〉にハッキングされて追われる身となる。同時期に別れを告げられた恋人から託された謎の古写本――存在するはずのないその本には、人間が知るべきではない知識が隠されているという。追っ手を逃れつつアリフは異界に足を踏み入れ、世界を一変させる本の秘密に近づいてゆく。世界幻想文学大賞受賞、サイバーパンクと魔術的世界が現代文明のエッジで融合する傑作SFファンタジイ! 

著者について (2017)

【G・ウィロー・ウィルソン】

1982年ニュージャージー州生まれ。シアトル在住。ボストン大学卒業後、エジプト・カイロにわたってジャーナリストとして活躍。小説デビュー作となる本書で2013年度の世界幻想文学大賞長編部門のほか、中東文学賞、太平洋岸北西部書店協会賞を受賞。グラフィックノベル・ライターとしても活躍しており、『ミズ・マーベル』で2015年度ヒューゴー賞グラフィックストーリー部門など3冠に輝いた(同書はマーベルコミック史上初めてイスラム教徒の少女を主人公としたことでも話題になった)。エジプト人男性と結婚し、自身もイスラム教に改宗している。


【鍛治靖子】

東京女子大学文理学部心理学科卒、翻訳家。主な訳書に、クレメント『20億の針』、ホブ『騎士の息子』『帝王の陰謀』『真実の帰還』、ビジョルド『スピリット・リング』『チャリオンの影』『影の棲む城』ほか多数。

書誌情報