あかずの扉の鍵貸します

前表紙
集英社, 2021 - 304 ページ
封をしたい過去、あらぬ真実、果たされざる約束......秘密の扉に委ねてみませんか?
「まぼろし堂」と呼ばれるその複雑な造りの館には、時空を超えて潜めておきたい、さまざまな「人の歴史」が預けられていた――。

火事で家族を失った大学生の水城朔実(みずき・さくみ)は、自らを育ててくれた恩人に頼まれ、「幻堂設計事務所」、通称「まぼろし堂」を訪れる。あるじの幻堂風彦(げんどう・かざひこ)が案内してくれたのは、館内に迷路のように広がる部屋の数々。この「まぼろし堂」には、「あかずの間」を貸し出すというもう一つの顔があり、さらには訳ありげな下宿人たちを受け入れてもいて......。

金木犀香る北鎌倉の古い洋館を舞台に繰り広げられる、心あたたまるファンタジック・ミステリー。

【目次】
一章開けっぱなしの密室
二章地下室の向こうへ
三章天の鍵穴
四章いつかオルゴールが鳴る日
五章木犀の香に眠る

【著者略歴】
谷瑞恵(たに・みずえ)
三重県出身。1997年、『パラダイスルネッサンス――楽園再生』でロマン大賞佳作に入選し、デビュー。「伯爵と妖精」「思い出のとき修理します」「異人館画廊」などの文庫シリーズ、単行本では『木もれ日を縫う』『語らいサンドイッチ』『神さまのいうとおり』など、著書多数。

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