技術者倫理とリスクマネジメント -事故はどうして防げなかったのか?-株式会社 オーム社, 2012 - 272 ページ 本書は、技術者倫理、リスクマネジメントの教科書であるとともに、事故の発生について深い洞察を加えた啓蒙書です。技術者倫理・リスクマネジメントを学ぶ書籍の中でも、事故・事例などを取り上げ、その対処について具体的に展開するかたちをとっているユニークなものとなっています。 原発事故、スペースシャトル爆発、化学プラントの火災などを事例として取り上げ、事故を未然に防ぐこと、起きた事故を最小の被害に防ぐことなど、リスクマネジメント全体への興味が高まっている中、それらに応える魅力的な本となります。 |
目次
11 歴史から学ぶこと | 2 |
12 有機過酸化物によるメタノール蒸留塔爆発事故 | 3 |
2爆発事故の構図 | 7 |
4リスクマネジメントの課題 | 10 |
5事例から学ぶ教訓 | 13 |
13 小型化洗剤の事業化 | 14 |
1事業化に至る経緯とその後の状況 | 15 |
2事業化提案のリスク | 16 |
5リスクマネジメントの課題 | 142 |
6不安全行動を容認する職場環境企業風土 | 143 |
7教訓 | 144 |
交通事故による事故件数ならびに負傷者数死亡者数の推移 | 145 |
73 医療事故 | 148 |
2医師の責任をどのように考えるか? | 150 |
3医療行為は裁けるか? | 151 |
74 ヒューマンエラーと事故 | 152 |
3事業化提案の反省 | 18 |
4教訓 | 19 |
第2章リスクマネジメントとは何か | 23 |
21 リスクマネジメントと危機管理 | 24 |
22 福島第一原子力発電所の事故の概要 | 26 |
23 1号機から4号機の爆発に至る状況 | 29 |
24 事故に至った問題点 | 30 |
1なぜ非常用発電機が稼働しなかったのか | 31 |
2海水注入を巡る問題 | 32 |
25 リスクマネジメントから見た課題 | 35 |
2新たな事態への対応 | 36 |
3想定外に対する備え | 39 |
4リスク評価方法の見直し | 41 |
5緊急時における意思決定 | 42 |
26 教訓 | 43 |
27 情報提供者としての専門家の責任 | 44 |
第3章技術者と経営者 | 47 |
31 技術者の現場判断 | 48 |
1事故の概要 | 49 |
2事故の背景 | 50 |
3ロジャーボイジョリーの行動 | 51 |
5ボイジョリーの提案はなぜ認められなかったか? | 53 |
6逸脱の正常化 | 55 |
7なぜ経営者は打ち上げ強行の判断をしたか? | 56 |
8NASAの問題 | 58 |
1事例の概要 | 59 |
2ルメジャーの行動 | 61 |
3ルメジャーとボイジョリー | 62 |
4建築強度偽装事件 | 63 |
34 原子力発電所高圧配管破裂事故 | 64 |
2なぜ未点検のままになっていたか? | 65 |
3なぜ次回の定期点検まで運転が継続されたか? | 66 |
第4章説明責任 | 69 |
41 専門家の情報提供 | 70 |
42 原子力発電における説明責任 | 72 |
2原子力に関するリスクコミュニケーション | 75 |
43 化学物質の安全性 | 78 |
1洗剤の安全性 | 79 |
2発がん性物質の安全性 | 82 |
44 牛海綿状脳症BSE | 85 |
1BSE騒動に関する問題点 | 86 |
3BSE検査に関する国際状況 | 87 |
4ポイント | 88 |
第5章危機管理 | 91 |
51 トラブルにどう対処するか | 92 |
52 集団食中毒事件 | 93 |
2危機管理 | 94 |
3停電トラブルに対する対応 | 99 |
4なぜ検査不合格品が使用されたか? | 101 |
5教訓 | 105 |
6予防原則 | 107 |
53 関連事例 | 108 |
2参天製薬目薬脅迫事件 | 109 |
第6章変更管理 | 113 |
61 トラブルや事故を防ぐには | 114 |
62 JCO臨界事故 | 115 |
2製造工程の変遷と事故当日の作業 | 117 |
3JCOの経営事情 | 122 |
4この事故のポイント | 123 |
5改善提案に関する教訓 | 125 |
6技術者倫理に関わる課題 | 128 |
7教訓 | 129 |
63 石油精製所水素製造装置の火災事故 | 130 |
2ポイント | 132 |
第7章事故とヒューマンエラー | 135 |
71 人が起こす事故の背景にあるもの | 136 |
72 JR西日本福知山線脱線事故 | 138 |
3事故の背景要因 | 139 |
4自動列車停止装置 | 140 |
2日本と欧米との安全管理の考え方 | 154 |
3事故調査体制について | 155 |
第8章製品事故と製造物責任 | 159 |
81 製品安全に対する技術者の責任 | 160 |
82 カビ取り剤 | 161 |
3対策 | 162 |
4教訓 | 163 |
5参考事例バルサン氷殺ジェット | 164 |
2ポイント | 165 |
4誤使用の判断 | 166 |
5開発者の責任 | 168 |
84 自動回転ドア死亡事故 | 169 |
2過去の事故発生状況 | 170 |
3この事故のポイント | 171 |
4事故の背景要因 | 173 |
85 シンドラー社エレベーター事故 | 175 |
2事故の背景要因 | 176 |
3この事故のポイント | 178 |
4製造メーカーの技術者の課題 | 179 |
5教訓 | 180 |
第9章企業不祥事と技術者の行動 | 183 |
91 個人としての判断をどう下すか | 184 |
92 三菱自動車リコール事件 | 185 |
2ポイント | 186 |
3リコール回避について | 187 |
4なぜ整備不良と発表したか? | 189 |
5三菱リコール事件のポイント | 192 |
6リコール制度について | 195 |
7教訓 | 196 |
93 パロマ工業瞬間湯沸かし器事故 | 197 |
2事故のポイント | 199 |
4パロマ工業の責任 | 200 |
6消費生活用製品安全法 | 202 |
1不二家消費期限切れ牛乳使用事件 | 203 |
2白い恋人 | 207 |
3赤福 | 208 |
4食品不祥事の教訓 | 210 |
第10章内部告発 | 213 |
101 技術者の二つの立場 | 214 |
102 内部告発事例 | 215 |
2トナミ運輸ヤミカルテル事件 | 217 |
3首都高速道路公団事件 | 219 |
103 内部告発の実情 | 220 |
2日本における内部告発の状況 | 221 |
104 内部告発の基準 | 222 |
105 内部通報制度 | 224 |
106 公益通報者保護法 | 225 |
107 技術者と内部告発 | 227 |
第11章技術者が期待されていること | 229 |
111 技術者倫理とは何か? | 230 |
112 技術者の社会的責任 | 235 |
221世紀の科学技術 | 236 |
3科学技術は完璧ではない | 238 |
113 説明責任と相互依存の関係 | 240 |
114 技術者の行動に正解はあるか? | 243 |
115 安全とは何か? | 244 |
116 技術者の行動規範 | 248 |
1技術に忠実に判断すること | 249 |
2科学技術の限界を知ること | 250 |
3結果について洞察すること | 251 |
4科学者技術者である以前に市民であること | 252 |
5原則に立ち返る発想 | 254 |
117 期待される技術者 | 256 |
さいごに | 259 |
261 | |
269 | |
273 | |
多く使われている語句
あっ あり エレベーター たか でき できる という トナミ運輸 どの なかっ なっ など なる において によって による に関する に対する ハブ パロマ工業 ヒューマンエラー べき ポイント まで より られ られる リコール リスクアセスメント リスクコミュニケーション リスクマネジメント われ 安全性 運転 科学技術 課題 会社 回転ドア 開発 確保 管理 関係 企業 危険 基準 求め 経営 結果 検査 原因 原子力発電 原子力発電所 現場 考え 考える 行動 号機 作業 使用 事業 事件 事故調査 事例 自動回転ドア 実施 社会 社内 重要 消費 消費期限 硝酸ウラニル 場合 情報 状況 蒸留塔 食品 信頼 生じ 生産 製造 製品 責任 設計 設備 説明 雪印 雪印食品 専門家 洗剤 組織 多く 打ち上げ 対し 対応 対策 脱脂粉乳 停止 提案 点検 内部告発 日本 認識 爆発 発生 判断 必要 評価 品質 不具合 福島 物質 平成 変更 報告 防止 問題 倫理