文学人類学への招待: 生の構造を求めて

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日本放送出版協会, 1997/06/25 - 239 ページ
文学人類学は、文学の中核に人類学的な生のパターンを見出す試み。そのパターンとは読者が文学に感動する源であり、日本民俗学の発見したケ、ケガレ、ハレに対応する。この三極構造は普遍的で、儀礼のパターン「離反、移行、合体」や知識社会学のノモス、カオス、コスモスと相似形をなし、その根拠が人間に共通する記号過程にあることを示す。また、日本的生の根源にある気の循環として、ケガレの排除を不可避とする日常の構造を相対化する契機を言語効果に探る。西洋と日本の知見に接点を見出し、未踏の領域に誘う刺激的な論考。

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