パクリの技法株式会社 オーム社, 2019/02/08 - 228 ページ 世界初“パクリの教科書” 改正著作権法 対応 パクリは盗作か,それとも技術か.技術であるなら, 誰もが不安を感じながら, 古今東西,さまざまなパクリ事例を紹介し, すべての研究者やクリエイターにとって必読の書です.
本書の取り扱い説明書 ~「まえがき」にかえて 「パクリ」が事件になる時代 西部劇は全部「パクリ」? あらゆるクリエイティブにオリジナルがある 「パクリ」は悪い意味の言葉なの? 「パクリ」は「ヤバい」と同じくらいの多義語 「パクリ=盗作」ではない~本書を読むための注意
1章 パクリとは何か? 社会問題としてのパクリ パクリは学びの基本 パクリのオリジナリティ? 生活用語としての「パクリ」 小保方論文事件、東京五輪エンブレム事件 なぜパクリ問題は起きるのか 「パクリ」の定義 マジ、ヤバいと、パクリ パクリの語源 パクリのレベルと分類 4段階の「パクリ」 レベル1:一般用語・感覚としてのパクリ〔模倣、複製〕 レベル2:無条件に違法なパクリ〔盗作、盗用、剽窃〕 レベル3:許可や手続きが必要なパクリ〔転載、引用、 レベル4 相互理解・業界内ルールの遵守が必要なパクリ〔二次創作、 有名作品の中にもあるパクリ 『天空の城ラピュタ』と『ガリバー旅行記』 「滅びの呪文」は「飛行機」? 巨神兵とエヴァンゲリオンとウルトラマン
2章 パクリの歴史 「技術を盗む」は悪い言葉か? 「パクリ」「パクる」は暗黙知 人類の歴史はパクリの歴史 紀元前9世紀ごろ:ギリシャ神話 紀元前5世紀ごろ:聖書「ノアの洪水」 16世紀:『西遊記』とパクリの想像力 複数ある『西遊記』のオリジナル 三蔵法師はなぜ女性? 「パクリをパクる」をパクる 16世紀:『水滸伝』にみる史実と創作 1709年:西洋高級磁器「マイセン」とパクリの技術 1748年:忠臣蔵≠仮名手本忠臣蔵 1814年:『水滸伝』をパクった『南総里見八犬伝』 オリジナルとしての『八犬伝』 1950年:「不二家ペコちゃん」にはオリジナルがあった 1979年:『キン肉マン』とウルトラマンと千代の富士 1979年:ガンダムとエルメス 1994年:『ライオン・キング』と『ジャングル大帝』 1996年:『エヴァンゲリオン』はなぜ、「世界の中心」 2000年:ユリ・ゲラーがポケモンに101億円訴訟 許されるパクリと許されないパクリ
3章 パクリの技法 「パクリの技法」は違法・脱法スキルではない パクリはなぜバレるのか ネットが高めるパクリのリスク テレビとネットの違い ネット上にあふれる「フリー」の落とし穴 「ネット=フリー(自由・無料)」という都市伝説 ネット上のお宝は誰もが発見できる 文章をパクる技法 ― パクリ疑惑を回避するための絶対ルール 絶対ルール1:引用や転載は出典を明示する テクニックとしての孫引き 絶対ルール2:正しく引用や転載を行う 「参考」の位置づけと考え方 混ぜれば安全? キュレーションメディアは健全? テレビ番組へのツッコミ記事? エセ一次記事をつくる エセ一次記事のテクニック 研究論文では注意が必要 デザインにおけるパクリ パクリの技法の是非
4章 どこまでパクれるの?~数式、グラフ、データベース、プログラム 著作物だけが著作権で保護される 表やグラフに著作権はない? やっぱりある? 表やグラフの創作性 数式は表現か? それともアイデアか? 小説『博士の愛した数式』の中の数式 データベースのどこに創作性があるのか 『ハローページ』にはないけど『タウンページ』にある著作権 ソースコードも立派な著作物 ソースコードの許されるパクリと許されないパクリ ソースコードのパクリが抱える違法・合法議論を超えた問題 「女子高生社長CSSパクリ事件」にみる杜撰とリスク ネット万引き・デジタル窃盗の落とし穴 でも、ソースコードのパクリは悪くない? 何がパクれて、何がパクれないのか? 自主規制がコンテンツを「つまらなく」する
5章 “自炊”は合法?~改正著作権法で何が変わるのか 著作物って何? 料理のレシピやクイズの問題は著作物ではない 著作権って何? 著作者の人格権 著作権(財産権) 改正著作権法=メジャーアップデート デジタル化・ 教育の情報化に対応した権利制限規定等の整備 障害者の情報アクセス機会の充実に係る権利制限規定の整備 アーカイブの利活用促進に関する権利制限規定 書籍をスキャンする“自炊” 自炊代行業者は「私的複製」ではない 学校の先生の「自炊」が合法化?
「あとがき」にかえて~進化する人工知能時代のパクリ 人工知能の創作は著作物ではない? 著作権なき人工知能の創作の価値 どうなる? 人工知能によるパクリ さいごに |