甘美なる暴力: 悲劇の思想

前表紙
大月書店, 2004 - 493 ページ
文学とドラマトゥルギーの主要テーマたる「悲劇」が、イーグルトンの手によって哲学、倫理学、心理学、神学、政治の舞台に移され、さらに文学と舞台と思想の高みからリアルな人間生活の地平に降り立たされる。エウリピデス、ソポクレス、メルヴィル、フローベール、ドストエフスキー、ゲーテ、カフカ、トーマス・マン、ハーディ、エリオットなどの作品における「悲劇」観が、アリストテレス、プラトン、聖アウグスティヌス、デカルト、パスカル、スピノザを経て、ヘーゲル、キルケゴール、ニーチェ、サルトルに到る西洋主流の政治的・哲学的思想の流れに織り込まれて、徹底的な分析と精査をうける。「悲劇の死」という問題に正面から取り組み、悲劇の現代的意義を主張する長年の研究の最良の成果。

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