〈歴史〉はいかに語られるか: 1930年代「国民の物語」批判

前表紙
日本放送出版協会, 2001 - 278 ページ
“歴史”とは何か、それはどのような役割を果たすのか―日本が総動員体制へ向かう一九三〇年代、“歴史”は、均一的な「日本人」を主語とする「国民の物語」へと変貌し、その語りを通して、排他的な共同体意識をうみ出していく。島崎藤村の歴史小説や火野葦平の戦記、そして女性たちが記したルポルタージュなど、三〇年代の多様なテキストを取り上げ、それらの語りに、「われわれ日本人」という歴史意識形成のメカニズムを探る。過去/現在を語る装置としての“歴史”のあり方を問い直す注目作。

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