硫黄島・沖縄戦場日記

前表紙
2021/06/01 - 510 ページ

硫黄島や沖縄において、米軍は日本兵の日記を系統的に収集し、翻訳を行った。日記には日本軍の行動や内部情報も記されることがあり、機密あるいは戦争犯罪に関わる情報を入手すべく、米軍は作業を進めた。

一方、厳しい私物規制がある中で、日本兵は家族の写真や手紙、日記帳などを携帯し、敵との遭遇戦に挑んでいる。日本兵にとり日記は、自己が生存している証であり、戦場の怒りや悲しみを整序できるものであった。日本兵日記は、多くは戦場で廃棄され、わずかなものが英訳され米国に残されたが、陽の目を見ることは少なかった。今回硫黄島や沖縄戦で英訳された約30人の日記を収集し、日本語に反訳したものが本書である。

併せて沖縄戦に参戦した米軍兵士およびヒストリアンの日記も掲載した。日米兵士を問わず日記は、文字通り「生の叫び」であり、生命の危機を実体験したものだけに可能な戦場証言である。敵味方が対峙し、敵の命を取ることに血眼な状況下、人は何に思いを致し、生をまなざしたかをあらためて感得したいものだ。

第1巻は日本兵の、第2巻は米兵およびヒストリアンの日記を取り上げる。

著者について (2021)

1949 年 北海道生まれ

1974 年 東洋大学社会学部応用社会学科卒業

1976 年 東洋大学大学院社会学修士課程修了

琉球大学法文学部講師、助教授、教授を歴任

現在、沖縄戦関係を中心とした翻訳業に従事

著書 戦争動員とジャ−ナリズム(1991, ひるぎ社)

   争点・沖縄戦の記憶(2002, 社会評論社 共著)

    陸軍暗号教範(2013, 紫峰出版 共編)

   新教程日本陸軍暗号(2013, 紫峰出版 共訳)

   沖縄戦のトラウマ(2014, 紫峰出版)

    沖縄戦捕虜の証言(2015, 紫峰出版)

   沖縄戦の集合的記憶(2017, 紫峰出版)

   米軍政府と民間人収容地区(2019, 名護市役所 監修)

   資料集 石川・宮森の惨劇(2019, NPO 法人石川・宮森 630 会 監修)

   あの日の記憶―石川・宮森ジェット機墜落事件(2020年, 紫峰出版)


書誌情報