日本古代の神と霊

前表紙
臨川書店, 2007 - 293 ページ
天変地異、政変が巻き起こす争乱、人智を超えた現象、天皇の不予―。古代に生きた人々は、常に様々な脅威に曝されていた。古代国家は、人心を掌握し王権を維持するため、人々を取り巻く脅威を取り除かねばならなかった―「神」「霊」、それは「脅威」を惹き起こす存在である。種々の脅威は、荒ぶる「神」や「霊」を鎮めることで払拭される。鎮めの力を有することは、王権にとって、国家運営の生命線でもあった。「神」「霊」に関わる「祟」「怨霊」、そして「供養」をキーワードに、古代の史料を読み解きながら、人々が認知し、そして畏怖した「神」「霊」と、その背後に隠された、歴史の真相を探る試み。「神」と「霊」が照射する、古代の人々の心のうちにせまる論作集。

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