科学技術の失敗から学ぶということ: リスクとレジリエンスの時代に向けて

前表紙
株式会社 オーム社, 2020/06/11 - 208 ページ

覆水盆に返らず」起こってしまった結果から未来を考えよう!!

 本当に科学技術の失敗から学べているのか。もしうまくいっていない部分があるとしたらそれはなぜなのか。そういう問題点を乗り越える方法はないのか。

 科学技術の社会学を専門とする筆者は、工学と社会科学の間を往来しながら、工科系の大学の授業で、そうした問いに取り組んできました。

 本書はその経験を踏まえて、現実に起きた事件を通して、これらの問いについてできるだけ平易に、しかし同時に深く考え、答えを試みようとするものです。


このような方におすすめ

・現場を少しでも良くしようと努力しているエンジニア

・広く生産活動に携わっている人(社会基盤システムを取り扱う人も含む)

・MOT,企業経営に携わっている人

主要目次

はじめに

第1章 タコマ橋とコメット「失敗から学ぶ」サクセスストーリー

第2章 機体が言うことを聞かない!何が最新鋭機を墜落させたのか(1)

第3章 高度がおかしいぞ!何が最新鋭機を墜落させたのか(2)

第4章 「チャイナ・シンドローム」巨大技術の事故は防げないのか

第5章 スペースシャトル・チャレンジャーの悲劇 誰がシャトルを打ち上げさせたのか

第6章 ディープウォーター・ホライズン 大企業はなぜ失敗を繰り返すのか

第7章 日航機乱高下事故と機長の裁判 原因究明か、責任追及か

第8章 通勤電車の大事故は誰のせいなのか 組織の責任を問う難しさ

第9章 3・11複合災害の衝撃 レジリエンス・エンジニアリング論とは

第10章 これからの「科学技術の失敗からの学び」のために

あとがき

 

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目次

失敗から学ぶというパラダイム
2
新時代の合理化設計でつくられたタコマ橋
3
タコマ橋の崩落
6
コメットの連続墜落
9
金属疲労に関する学び
11
未知との出会いとイノベーション
15
ただ失敗から学んでも
18
進歩の時代と失敗からの学び
21
防護を破るもの
93
スイスチーズモデル
94
組織事故は現代の技術の宿命
98
安全文化を高めよう?
101
組織は変われるか
105
7 日航機乱高下事故と機長の裁判原因究明か責任追及か
109
組織事故の被害とどう向き合うか
110
唯一の人身死亡事故
111

2 機体が言うことを聞かない何が最新鋭機を墜落させたのか1
25
魔の2分間
26
着陸やり直しの謎
27
ブラックボックスが記録したミス
29
言うことを聞かない機体
32
人間不信が生んだ落とし穴
35
セールスポイントとしてのさらなる安全
36
3 高度がおかしいぞ何が最新鋭機を墜落させたのか2
41
つかなかったランプ
42
電球に夢中
44
空白の4分間
46
会話のあやの落とし穴
49
ミスを防ぐには?
50
あちらを立てればこちらが立たず
52
4 チャイナシンドローム巨大技術の事故は防げないのか
55
映画チャイナシンドロームとスリーマイル島原発事故
56
多重防護の破れ
57
ヒューマンファクターへの注目
59
巨大技術の失敗は防げない?
61
事故が起こるのがノーマル
65
だとすればどうするべきなのか?
66
5 スペースシャトルチャレンジャーの悲劇誰がシャトルを打ち上げさせたのか
71
打ち上げ73秒後の悲劇
72
ボイジョリーと技術者の倫理
73
本当に悪玉が元凶なのか?
77
よい人がみんなで起こす悲劇
78
第三者の目の本当の意味
79
6 ディープウォーターホライズン大企業はなぜ失敗を繰り返すのか
83
無事故記録式典の夜の悲劇
84
平穏無事に潜む危険
85
組織事故と深層防護
91
習熟が不十分
112
機長の刑事訴追と裁判
115
パイロットたちの不満
116
ヒューマンエラーをどう防ぐのか
119
社会正義と責任追及
121
原因究明か責任追及か
124
8 通勤電車の大事故は誰のせいなのか組織の責任を問う難しさ
131
日常を暗転させる重大事故
132
運転士のミスの裏側
133
歴代社長たちの刑事裁判と無罪判決
137
組織の責任を問うことの難しさ
140
9 311複合災害の衝撃レジリエンスエンジニアリング論とは
143
未曽有の大災害の衝撃
144
本当に足りなかったものは何か
145
想定の中の安全と想定外
146
レジリエンスエンジニアリング
148
レジリエンスエンジニアリングの具体的なイメージ
151
臨機応変ができるのは人間だけ
155
リーダーたちに求められること
162
10 これからの科学技術の失敗からの学びのために
165
失敗から学ぶことの本当の難しさ
166
科学や技術が教えてくれないこと
167
25人称の視点
168
事故を記憶すること事故と向き合い続けること
172
何が本当に大切なのか
176
何かが起きてからではなく何かが起きる前に
178
あとがき
182
索引
187
奥付
192
著作権

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著者について (2020)

寿楽浩太(じゅらく こうた)


1980 年千葉県生まれ。2003 年東京大学文学部卒、2008 年東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得満期退学。博士(学際情報学)。東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻特任助教、東京電機大学未来科学部人間科学系列助教を経て、東京電機大学工学部人間科学系列准教授(現職)。

専門は、科学技術社会学、エネルギー技術社会論。現在の研究テーマは、高レベル放射性廃棄物処分問

題、リアルタイム被害予測システムの防災活用問題など、原子力をはじめとする先端科学技術のリスクと専門知、社会的意思決定の関係。さらに、広く科学技術のリスクや失敗と社会の関係を探究。

共編著にReflections on the Fukushima Daiichi Nuclear Accident: TowardSocial-Scientific Literacy andEngineering Resilience(Springer)、共著に『原発 決めるのは誰か』(岩波ブックレット)など。

書誌情報