機械学習エンジニアのための知財&契約ガイド

前表紙
株式会社 オーム社, 2020/07/22 - 208 ページ

機械学習エンジニアが知らないでは済まされない知財と契約の基礎知識をコンパクトに、わかりやすく整理

 本書は、エンジニア・研究者、学生を対象に、知らないでは済まされない機械学習にかかわる知財と契約の基礎知識をコンパクトに、わかりやすくまとめた書籍です。

 GoogleやAppleの創業者がエンジニアであり、スタートアップ企業から始まっているように、いまや、そして特に機械学習に関連する分野では、エンジニア自身が知財活動や法務活動に積極的にかかわることが必要不可欠です。いいかえれば、何かことが起こればエンジニア自身が矢面に立たされたり、少なくとも責任の一端をとらされたりすることは避けられません。

 本書は、このような背景を踏まえて、機械学習の研究開発に関連してエンジニアが知っておくべき法律的な考え方や知識を、主に実務的な観点を交えつつ、一から丁寧に解説しています。

このような方におすすめ

これから本格的にデータ・AIの利活用を始める企業、技術者

AI、機械学習の学生、若手技術者

主要目次

第1章 AI・データと法的な保護

第2章 契約-当事者のインセンティブのデザイン

第3章 AI・データと特許

第4章 専門家とのコラボレーション

第5章 OSSと知的財産権

 

ページのサンプル

目次

SECTION34 進歩性について
94
SECTION35 さまざまな事例
102
2 GUI 関連の発明の事例その 1一太郎事件
105
3 GUI 関連の発明の事例その2ワンクリック特許
108
SECTION36 AI分野における特許法の保護対象
112
1学習装置およびそれに関連するプログラム
113
2学習済みモデル
114
3学習結果の利用を前提としたビジネスモデル特許
115

SECTION17 特許権は誰のものか
18
SECTION18 オープンサイエンスと特許権について
22
SECTION19 著作権法とは
26
2著作権と所有権の違いは?
28
著作権法が保護する対象
30
2プログラムと著作権の関係は?
31
3思想又は感情以外を表現するものの扱いは?
32
SECTION111 表現の創作性とは
34
2高尚な表現とそうでない表現の違いは?
35
SECTION112 2つの著作権
36
2著作財産権とは?
37
3著作者人格権とは?
39
4特許権との対比
42
SECTION113 著作権は誰のものか
44
2著作者と職務著作の関係は?
45
3共同で創作した著作物の扱いは?
48
SECTION114 著作権の効力とは
50
2著作財産権の侵害に対して何ができるか?
51
3著作者人格権の侵害に対して何ができるか?
52
SECTION115 著作権の新しい柔軟な権利の制限について
54
2新しい柔軟な権利制限規定とは?
55
第2章契約当事者のインセンティブのデザイン
59
SECTION21 契約とは
60
1契約の目的とは?
61
2契約書のひな形の役割とは?
62
3 AIデータ契約ガイドラインとは?
63
SECTION22 契約と言葉の定義について
64
SECTION23 秘密情報の管理について
68
SECTION24 学習済みモデルの開発責任
72
SECTION25 著作権と特許権は誰のものか
74
2特許権は誰のものか?
76
SECTION26 第三者の知的財産権の侵害と責任
80
第3章 AIデータと特許
83
SECTION31 ソフトウェア関連発明とは
84
SECTION32 ソフトウェア関連発明に関する審査ハンドブック
86
SECTION33 発明該当性について
90
5具体的なケーススタディ
116
SECTION37 AI分野における特許出願の実情
118
SECTION38 ビジネスモデル特許の可能性
124
第4章専門家とのコラボレーション
131
SECTION41 個々の特許出願書類におけるポイント
132
2明細書
134
3特許請求の範囲
135
4図面
136
5要約書
137
6明細書と特許請求の範囲の関係性
138
SECTION42 新規性の落とし穴論文と明細書の違い
142
2論文と明細書では書く目的が違う
144
3技術レベルの高くない発明
145
SECTION43 特許権侵害に対する基本的な考え方
148
2構成要件
149
3対象製品等イ号の特定
150
SECTION44 特許出願を行うことのメリット
152
2エンジニア個人にとっての利点
155
3自由利用に対する考え方
156
第5章 OSSと知的財産権
157
SECTION51 ソフトウェアの使用と利用
158
SECTION52 OSSのライセンスとは
160
2オープンソースの定義
161
SECTION53 オープンソースライセンスに共通する条項非共通の条項
166
2 OSSライセンスごとに異なる条項
168
SECTION54 さまざまなオープンソースライセンス
170
2 GPL
171
3 MITライセンスMIT
174
5 BSDライセンス
175
7 AGPL
176
SECTION55 オープンソースライセンスについてのよくあるQA
178
参考文献
185
索引
187
著者略歴
190
奥付
191

著者について (2020)

渡辺 知晴(わたなべ ともはる)

渡辺総合知的財産事務所 代表 弁理士

2017 年12 月から経済産業省「AI・データ契約ガイドライン検討会」作業部会構成員・同改定作業委員.北海道大学大学院,国立精神・神経医療研究センター,正林国際特許商標事務所などを経て現職.スタートアップ企業やIT系企業などを中心に知的財産の側面から幅広い支援を行う.

齊藤 友紀(さいとう ともかず)

法律事務所LAB-01 兼 株式会社 鹿島アントラーズ・エフ・シー(経営戦略担当,株式会社 メルカリから出向)弁護士

2017 年12 月から経済産業省「AI・データ契約ガイドライン検討会」委員・同作業部会構成員,2019 年5 月から同省・IPA「データ利活用検討会」委員.ほかに,東京大学 未来ビジョン研究センター客員研究員,株式会社 博報堂DY ホールディングスフェロー,スタートアップ社外役員等.UC バークレー大学院(MPP),パデュー大学大学院(MSc in Economics),株式会社Preferred Networks 等を経て,現職.

大堀 健太郎(おおほり けんたろう)

法律事務所LAB-01 弁護士・弁理士

「農業分野におけるデータ契約ガイドライン検討会」(2018 年12 月26 日ガイドライン策定)専門委員.ほかに,OSS コンソーシアム監事,上場企業の社外監査役等.弁護士登録前は,大学院において心理学を修め,システムエンジニアとして金融会社の国際系業務システム開発等を担当.

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