出版社内容情報
映画とラジオを駆使した冷戦期のアメリカのメディア戦略を辿り、アジアにおける文化冷戦の受容と展開を解明する。
世界を覆い尽くすグローバルスタンダードとしてのアメリカ化(親米化)は冷戦期の日本を含めた東アジアでさまざまなメディアを駆使してどのように展開されたのか.本書ではCIE/USIS映画とVOAラジオを取り上げ,アメリカのメディア戦略と東アジア地域での受容から,その実相を明らかにする.
総論 文化冷戦と戦後日本(土屋由香/吉見俊哉/井川充雄)
第1部 政策としてのメディア冷戦
第1章 アジア太平洋における政策とプロパガンダ(ケネス・オズグッド)
第2章 原子力平和利用USIS映画(土屋由香)
第3章 VOAフォーラム(井川充雄)
第4章 冷戦期アジアにおけるVOAの展開と中継所の世界的配置(小林聡明)
第5章 冷戦期アメリカの民族国家形成への介入とヘゲモニー構築の最前線(許殷)
第6章 農村青年のカリフォルニア訪問(メアリー・ティン・イー・ルー)
第2部 メディア冷戦を受容する
第7章 冷戦期のアメリカ広報外交とスポーツ(谷川建司)
第8章 衛生家族の誕生(身崎とめこ)
第9章 敗者による敗者のための映像(中村秀之)
第10章 CIE映画/スライドの日本的受容(原田健一)
第11章 もう一つのメディアとしての博覧会(吉見俊哉)
第12章 CIE映画フィルムのアーカイビング(とちぎあきら)
インタビュー 岡崎宏三、一倉秀男、鷹野光幸、関口哲男/石坂章子/モナ・ラッツ/田口 寧
【著者紹介】
土屋由香:愛媛大学法文学部総合政策学科教授
内容説明
アメリカは世界の親米民主化に乗り出した。原子力平和利用、学問教養、スポーツ、衛生思想―多様な領域に及び、私たちの社会や生活に浸透するアメリカ広報文化戦略の実像。
目次
総論 文化冷戦と戦後日本―CIE/USIS映画とVOAラジオ
第1部 政策としてのメディア冷戦(アジア太平洋における政策とプロパンガンダ―冷戦期におけるアメリカ心理戦の文脈;原子力平和利用USIS映画―核ある世界へのコンセンサス形成;VOAフォーラム―「教養番組」とプロパガンダの交差するところ;冷戦期アジアにおけるVOAの展開と中断所の世界的配置;冷戦期アメリカの民族国家形成への介入とヘゲモニー構築の最前線―在韓米国広報院の映画;農村青年のカリフォルニア訪問―アメリカ文化外交の場としての家族農場)
第2部 メディア冷戦を受容する(冷戦期のアメリカ広報外交とスポーツ―CIE映画とVOAラジオ放送におけるスポーツ関連コンテンツの積極的利用;衛生家族の誕生―CIE映画からUSIS映画へ、連続される家族の肖像;敗者による敗者のための映像―CIE映画教育と日本製CIE映画について;CIE映画/スライドの日本的受容―「新潟」という事例から;もう一つのメディアとしての博覧会―原子力平和利用博の受容;CIE映画フィルムのアーカイビング)
著者等紹介
土屋由香[ツチヤユカ]
愛媛大学法文学部教授
吉見俊哉[ヨシミシュンヤ]
東京大学大学院情報学環教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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